施設・法人の方へ

施設への訪問診療導入(協力医療機関をお探しの方へ)

有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・障がい者施設への訪問診療を行っています。導入準備から安定運用までの進め方を、役割分担の形でご説明します。

朝日の差す北海道の冬の街並み

施設への訪問診療とは、通院が困難な入居者さまに対して、医師が施設へ計画的に定期訪問して行う医療です。当院では導入準備・初回訪問・安定運用の3つのフェーズに分け、施設側と当院側の役割を最初に決めてから開始します。

  • 対象は有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・障がい者施設など
  • 導入はPhase A 導入準備/Phase B 初回訪問・立ち上げ/Phase C 安定運用の3段階
  • 連絡は施設の責任者に窓口を一本化し、伝える項目をテンプレート化します
  • 採血は施設で実施して外部検査機関へ、画像検査は近隣の医療機関へ依頼します
  • 主治医意見書・訪問看護指示書・精神科訪問看護指示書の作成に対応します

対応する施設

対応する施設の種別

高齢者施設と障がい福祉分野の双方でご相談いただけます。

  • 住宅型・介護付有料老人ホーム定期訪問と臨時対応、看取りまでを含めてご相談いただけます
  • 認知症対応型グループホーム服薬の調整、行動・心理症状への対応、ご家族への説明を支援します
  • サービス付き高齢者向け住宅居室での診療と、生活の様子をふまえた処方の見直しを行います
  • 障がい者支援施設・共同生活援助精神科訪問看護指示書の発行を含め、支援体制に合わせて設計します

※ 上記以外の形態の施設でも、入居者さまの状況と所在地をふまえて個別にご相談を承ります。対応エリアの区分はこちらをご覧ください。

よくある課題

施設さまが抱えやすい課題

導入前のご相談で、次のような困りごとを伺うことが多くあります。

通院の付き添いに人手を取られる

職員さまが同行し、待ち時間を含めて半日以上かかることもあります。冬季は移動そのものの負担も大きくなります。

夜間の判断に迷う

救急要請すべきか、朝まで様子を見てよいのか、夜勤者が一人で判断を抱えてしまう状況です。

書類の期限管理が煩雑

主治医意見書や訪問看護指示書の依頼先と期限がばらばらで、提出が遅れそうになることがあります。

薬の残数と臨時処方

残薬が少なくなってから気づく、頓服の使い方が定まらない、といった運用上の課題です。

課題は「仕組み」で減らせます

連絡の窓口を一本化し、伝える項目をあらかじめ決め、書類の依頼経路を1つにするだけでも、日々のやり取りは大きく整理されます。導入時にこの設計を一緒に行うことを重視しています。

導入の3段階

導入の3フェーズと役割分担

当院は「施設管理者向け 訪問診療導入ガイドライン」に沿って、3つのフェーズで導入を進めます。

PHASE A

導入準備(契約・同意・情報整備・連携設計)

施設と当院の契約、ご本人または代理人の同意、患者情報の整備、連絡ルールの取り決めを行います。あわせて、近隣病院への窓口確認、採血や画像検査の依頼先、訪問看護ステーションの候補を整理します。

PHASE B

初回訪問・立ち上げ

入居者さまごとに現状を把握し、薬剤のレビュー、緊急時の方針確認、書類の見通し、次回訪問の計画を立てます。ここで運用上の課題を洗い出し、開始直後の混乱を防ぎます。

PHASE C

安定運用(定期訪問・臨時対応・書類・連携の定着)

定期訪問と臨時対応、処方と薬局連携、書類業務、病院・訪問看護との連携を回していきます。開始から1か月ほどで運用をふり返り、連絡の頻度や判断基準を調整します。

フェーズ別の役割分担(施設側/当院側)
フェーズ施設側にお願いすること当院が行うこと
Phase A 導入準備 導入方針の決定、医療連携の担当者(看護師等)の決定、ご本人・ご家族への説明と同意の支援、患者情報リストと内服一覧の作成、保険情報の準備、診察スペースの確保 契約内容と個人情報の取り扱いのご説明、連絡ルールの設計、診療情報提供(紹介状)の依頼方針の確認、検査・画像の依頼先と訪問看護の候補の整理
Phase B 初回訪問・立ち上げ 訪問時の同席者(原則1名)の確保、症状と生活の情報の共有、前医からの資料の受け渡し、ご家族の連絡先と連絡順位の確認 初回診察と課題の抽出、薬剤レビュー(残薬・重複・頓服の運用)、緊急時の方針確認、書類の見通しの提示、次回訪問日と評価項目の設定
Phase C 安定運用 日々の観察と報告、連絡の一本化、記録と申し送りへの反映、書類の期限管理、残薬の早めの確認 定期訪問と臨時対応、処方と薬局連携、書類の作成、病院・訪問看護との窓口調整、導入1か月目の運用レビュー

※ 一般社団法人 愛清会「施設管理者向け 訪問診療導入ガイドライン」(2026年1月13日作成)に基づく標準的な役割分担です。施設の体制により調整します。

施設側の推奨体制

施設側で決めていただく担当と役割
担当主な役割
施設責任者(管理者)導入方針の決定、同意取得の支援、外部の医療機関・地域連携室との窓口
医療連携担当(看護師等)患者情報の取りまとめ、訪問日程の調整、状態変化の一次把握、連絡の一本化
事務担当保険情報の準備、同意書と各種書類の管理、提出期限の管理
介護職の代表日々の観察情報の共有、服薬と生活の情報のフィードバック

施設内の診療

施設内での診療体制(採血・処置・書類)

施設で行えることと、医療機関へ依頼することを、あらかじめ線引きしておきます。

施設内での対応と、医療機関へ依頼するもの
項目対応の場所進め方
診察・慢性疾患の管理施設内定期訪問で行います。高血圧、糖尿病、心不全、呼吸器疾患、認知症などの経過を確認します。
採血・検体検査施設内で採血施設で採血し、検体は外部の検査機関へ提出します。結果は当院で評価し、必要な内容を施設へお伝えします。緊急を要する値が出た場合の連絡方法は導入時に取り決めます。
レントゲン・CT・心電図医療機関へ依頼機器を要する検査は施設では行えません。必要と判断した場合、近隣の医療機関へ受診調整またはご紹介を行います。
医療処置施設内(内容による)点滴、カテーテル管理、在宅酸素、褥瘡の処置、疼痛・発熱への対応などを、施設の体制と目的・期間をふまえて検討します。管理が高度なものは入院での対応をご提案します。
処方・薬剤管理施設内+薬局連携定期薬は残薬が7日分を下回る前に確認します。処方箋の受け渡しと配達の運用は当院が薬局と調整します。
看取り・ACP/DNAR施設内ご本人・ご家族と話し合いを重ねたうえで、方針を施設と共有します。詳しくは看取り・ACPのページをご覧ください。
書類の作成当院主治医意見書、訪問看護指示書、診療情報提供書、精神科訪問看護指示書を作成します。依頼方法はケアマネジャー・医療機関の皆さまへにまとめています。

※ 2026年8月時点の一般的な運用です。個々の入居者さまについては、病状と施設の体制をふまえて個別に判断します。

診察スペースと同席者のお願い

診察は、プライバシーが保てる個室または静かな場所でお願いしています。照明、机、手洗いまたは消毒ができる環境をご準備ください。訪問時には、症状と薬について説明できる職員さまが原則1名同席してくださると診療がスムーズです。訪問日ごとに場所が変わると動線が混乱するため、固定の診察スペースを決めておくことをおすすめします。

夜間・緊急時

夜間・急変時の連絡フロー

迷ったときに動ける形を、あらかじめ紙に落としておきます。

  1. 施設内で状況を確認し、連絡者を決める

    連絡は、状況を把握している責任者(夜勤責任者など)に一本化してください。連絡の前に、症状・経過・バイタル・すでに行った対応・残薬・希望する期限を整理していただけると、その場で判断できることが増えます。

  2. 緊急性を見きわめる(迷ったら119番を優先)

    生命に関わる可能性があると感じた場合は、119番を優先してください。迷う段階でも、救急要請と当院への連絡を同時に行っていただいて構いません。搬送を決めた時点でご連絡ください。

  3. オンコールへ電話し、SBARで伝える

    夜間・休日は電話でご相談いただけるオンコール体制をとっています。伝える内容は、状況・背景・評価・提案の順に整理する「SBAR」の形をおすすめします。下の表の項目をそのまま読み上げる形でかまいません。

  4. 対応後は記録し、申し送りに反映する

    連絡内容と受けた指示は施設側でも記録し、申し送りに反映してください。搬送した場合は、搬送先・搬送理由・経過を当院へお知らせください。

連絡時にお伝えいただきたい項目(SBAR)
順序項目内容の例
S 状況施設名・連絡者(職種)・対象の方のお名前・症状いつから、どの程度、どう変化しているか
B 背景重要な既往と内服抗凝固薬、糖尿病、てんかん、認知症など
A 評価バイタルと施設での対応血圧・脈拍・体温・呼吸数・酸素飽和度・意識、行った処置
R 提案ご希望今すぐ/本日中/次回訪問時でよい、のいずれか

119番を優先していただきたい症状

意識障害がある/けいれんが続く/強い呼吸困難があり酸素飽和度の低下が改善しない/突然の麻痺、ろれつが回らない/強い胸痛(冷汗・顔面蒼白を伴う)/大量の出血(吐血・下血を含む)/重い脱水が疑われる/転倒で明らかな外傷があり抗凝固薬を内服している。迷うほど緊急性が高いと感じる場合は、入居者さまの安全を最優先に救急要請をしてください。

119番へ発信

精神科訪問看護指示書への対応

精神科訪問看護指示書とは、精神科の訪問看護を利用するために医師が交付する指示書です。当院では、障がい者支援施設や共同生活援助(グループホーム)、精神疾患をお持ちの在宅の方について、この指示書の発行に対応しています。

ただし、ご依頼を受けてすぐに発行するという運用はとっていません。まず必要性を評価し、何を目的とする訪問看護なのかを具体的にしたうえで、訪問看護ステーションと調整して交付します。目的は、服薬の支援、症状の観察、生活リズムの調整、自傷や他害のリスクの低減など、支援計画とつながる形で設定します。交付後も一定の期間ごとに見直し、漫然と継続することを避けます。ご依頼の際は、現在の状況、困っている場面、希望する訪問の頻度をお知らせください。

訪問スケジュール

導入までのスケジュールの目安

初回訪問日を T=0 として、前後の作業を整理したものです。施設の状況により前後します。

導入スケジュールの目安(T=初回訪問日)
時期主な内容
T−4〜2週初回の打ち合わせ。対象となる方の選定、窓口の決定、連絡ルールの案を作ります。
T−2〜1週契約と同意書の回収、患者情報リストのご提出、前医への紹介状の依頼を行います。
T−1週初回訪問の日程を確定し、診察スペースと同席者を確保します。
T=0初回訪問。初回診察、課題の抽出、処方計画、次回訪問日の設定を行います。
T+2〜4週運用のレビュー。連絡の頻度、処方、救急搬送の判断、課題の是正を確認します。

※ 一般的な目安です。対象となる方の人数、同意の取得状況、前医からの情報の集まり方により変わります。

施設さまにご用意いただく提出物

施設から当院へご提出いただくもの
提出物内容
患者情報リストお名前、生年月日、施設のご住所、連絡先、医療保険・介護保険の情報、負担割合、受診先(病院名・科・主治医)、かかりつけ薬局
内服一覧現在の内服薬(薬剤情報提供書の写しで結構です)、頓服、貼付薬、注射、サプリメント
既往・アレルギー主病名と既往、入院歴、アレルギーと副作用歴、把握できる範囲の感染症の情報
同意書訪問診療と情報共有についての、ご本人または代理人の同意
ACP/DNARの把握状況分かる範囲で結構です。未定の場合は「要確認」と明示してください
書類の依頼書主治医意見書などをご依頼の場合。提出先と期限を明記してください
緊急連絡先ご家族などの連絡先と連絡順位、施設内の連絡ルート
個人情報の取り扱い

入居者さまの情報は、同意書に基づいて必要最小限の範囲で共有します。共有の手段(FAX・封書・持参など)は施設さまと取り決め、第三者の目に触れない形で運用します。FAXの誤送信を防ぐため、宛先とお名前のダブルチェックを双方で行います。

施設のよくあるご質問

施設さまからよくいただくご質問

協力医療機関の変更を検討していますが、途中から切り替えられますか?

途中からの切り替えもご相談いただけます。現在の協力医療機関との契約内容、入居者さまとご家族への説明、診療情報提供書(紹介状)の引き継ぎ、内服の確認などを整理したうえで、切り替え時期を決めていきます。まずは施設の状況とご希望の時期をお電話でお聞かせください。ご住所・入居者さまの状況・診療体制をふまえて、お受けできるかどうかを個別にご案内します。

施設のすべての入居者さまが訪問診療の対象になりますか?

全員が対象になるわけではありません。訪問診療は、通院が困難で、施設で継続的な診療が必要な方が対象です。ご本人またはご家族の同意も必要です。施設側で候補を挙げていただき、通院の負担、慢性疾患の状況、急変のリスク、ご家族の同意の得やすさなどをふまえて、対象になる方から順に導入していく進め方をご提案しています。専門外来への通院は、役割分担を整理したうえで継続していただけます。

施設の職員が医療行為を求められることはありませんか?

医療行為は医師・当院の看護師・訪問看護ステーションが担う設計にします。施設の職員さまにお願いしたいのは、日々の観察と報告、服薬や生活の情報の共有、訪問時の同席です。医療的ケアが増えて職員さまの負担が心配な場合は、訪問看護の導入や手順の簡素化を含めて、役割分担を組み直すご相談を承ります。

夜間に体調が変化したとき、救急車を呼ぶべきか迷います。どうしたらよいですか?

生命に関わる可能性があると感じた場合は、119番を優先してください。判断に迷う段階でも、救急要請と当院への連絡を同時に行っていただいて構いません。意識障害、けいれんが続く、強い呼吸困難、酸素飽和度の低下が戻らない、突然の麻痺やろれつが回らない、強い胸痛、大量の出血などは救急要請の目安です。連絡の際は、バイタル、意識、呼吸の状態、いつから始まったか、重要な既往と内服、ACP/DNARの方針をお伝えください。

採血や画像検査は施設でできますか?

採血は施設で実施し、検体は外部の検査機関へ提出します。対象となる方、希望される頻度、採血が難しい方の有無をふまえて、運用を一緒に設計します。レントゲン、CT、心電図などの機器を要する検査は施設では行えないため、必要と判断した場合は近隣の医療機関へ受診の調整やご紹介を行います。緊急性が高い場合は結果を待たずに搬送を判断します。

主治医意見書や訪問看護指示書はどれくらい前に依頼すればよいですか?

主治医意見書は、提出期限の2〜3週間前にご依頼いただくことをおすすめしています。ご依頼の際は、様式、前回の控え、最近の介護記録の要点を添えてください。訪問看護指示書は、必要性の評価と目的の設定、ステーションとの調整を行ったうえで発行します。書類の作成にかかる日数は内容や時期により異なりますので、期限をお知らせのうえご相談ください。

障がい者施設やグループホームでも訪問診療を導入できますか?

障がい者支援施設、共同生活援助(グループホーム)、認知症対応型グループホームなどでもご相談いただけます。精神科訪問看護指示書の発行にも対応しています。施設の種別によって、必要な書類、同意の取り方、日々の連携の形は変わりますので、導入前の打ち合わせで運用を確認しながら進めます。

職員向けの説明会をお願いすることはできますか?

ご相談ください。導入前後に、職員さま向けの短時間の説明と、緊急時の連絡フローの確認を行う形をご提案しています。ご家族向けには、訪問診療でできること、通院との違い、緊急時の対応を中心にご説明します。参加人数、ご希望の日時、現在困っていることをお知らせいただければ、内容を調整します。

お問い合わせ

施設さま向けのお問い合わせ

施設名、所在地、入居者さまのおおよその人数、現在お困りのことをお聞かせください。

お電話(導入のご相談) 0166-74-3774 お電話で受け付けます(受付時間はお問い合わせください)。緊急性が高い症状は119番を優先してください。
FAX(書類・入居者さまの情報) 0166-74-3240 書類のご依頼や情報の送付にご利用ください。送信後にお電話をいただけると行き違いを防げます。
メール liebe@aiseikai.care 緊急のご相談には使用しないでください。

施設・法人の方へ

施設での診療体制づくりをご相談ください

入居者さまの状況、現在の協力医療機関、施設内の連絡体制を伺い、導入までの進め方を一緒に整理します。

施設・法人のご相談 0166-74-3774

新規のご相談はお電話で受け付けます(受付時間はお問い合わせください)。メールは緊急のご相談には使用しないでください。

夜間・休日は電話でご相談いただけるオンコール体制です。主治医への直通や訪問を保証するものではありません。緊急時は119番を優先してください。詳しい連絡方法